8. 運用管理¶
運用管理の各機能について説明します。
8.1. 運用管理について¶
- IM-AccelDB サーバの運用管理をする機能です。以下の用途で使用します。
- クラスタ状態を確認、管理します。
- マシンを停止・再起動します。
- ディスク使用率を把握します。
- IM-AccelDB のアクティベーションを行います。
- IM-AccelDB のアップデートを行います。
8.2. クラスタ管理¶
8.2.1. クラスタ管理について¶
- クラスタ起動(8.2.2、8.2.3)①Master 機:クラスタを起動します。②Slave 機:クラスタ組み込みを実施して、HA構成のクラスタとして利用可能にします。
- クラスタ停止(8.2.4)①Slave 機:クラスタを停止し、Master 機から切り離します。②Master 機:クラスタを停止します。
コラム
IM-AccelDBインストール直後、またIM-AccelDBサーバ起動直後は、クラスタ起動は自動で実施されません。 必ず、本手順を実施する必要があります。 これは、HA構成のクラスタが自動起動によってスプリットブレインをはじめとする不適切な状態に陥ることを回避するためです。
- メニューリストから、[運用管理] の [クラスタ管理]をクリックします。
- 「クラスタ管理」画面が表示されることを確認します。「クラスタ管理」画面項目を以下に示します。
No 項目名 説明 1 last update 最後に画面が更新された日時です。 クラスタ管理画面は自動で更新されます。 2 クラスタ状態 Master 機、Slave 機(HA構成の場合)の状態です。 3 [詳細情報]タブ 「詳細情報」画面を表示します。 4 [起動] ボタン ログインしているサーバの PostgreSQL を起動します。 5 [停止] ボタン ログインしているサーバの PostgreSQL を停止します。 6 [DB設定読込] ボタン pg_hba.conf、postgresql.confの設定を読み込みます。「設定変更」で設定を変更した後にクリックします。設定変更の詳細は、 設定変更 を参考にしてください。7 [クラスタ組込] ボタン クラスタ組み込みを実行します。 「クラスタ状態」に表示されるパラメータを以下に示します。No 項目名 表示 説明 1 ホスト名 <ホスト名> クラスタを構成する各マシンのホスト名が表示されます。 2 サービスLANmaster VIPStarted サービスLAN(Master)のVIPが稼働中です。 Stopped サービスLAN(Master)のVIPが停止中です。 3 サービスLANslave VIPStarted サービスLAN(Slave)のVIPが稼働中です。 Stopped サービスLAN(Slave)のVIPが停止中です。 4 レプリケーションVIP(HA構成の場合)Started レプリケーションLANのVIPが稼働中です。HA構成の場合は、Master機にのみ表示されます。 Stopped レプリケーションLANのVIPが停止中です。HA構成の場合は、Master機にのみ表示されます。 5 運用LAN Started 運用LANのVIPが稼働中です。HA構成の場合は、Master機にのみ表示されます。 Stopped 運用LANのVIPが停止中です。HA構成の場合は、Master機にのみ表示されます。 6 サービスLANネットワーク状態OK サービスLANのネットワーク状態が正常です。 NG サービスLANのネットワーク状態が異常です。 7 ディスク状態 normal ディスク状態が正常です。 ERROR ディスク状態が異常です。 8 PostgreSQL起動状態MASTER クラスタのMaster 機になっています。 SLAVE クラスタのSlave 機になっています。 SLAVE(async) クラスタのSlave機になっていますが、データは非同期で転送されています。 POTENTIAL クラスタ内のサーバ間でデータが非同期で転送されていますが、同期状態に昇格する可能性があります。 CONNECTED クラスタのSlave機になっていますが、データは同期されていない可能性があります。 SINGLE クラスタを構成せず、1台のみで起動しています。 STOP PostgreSQLが停止しています。 9 PostgreSQLクラスタ状態LATEST クラスタの状態が正常です。Master 機に表示されます。 SYNC クラスタ内のサーバ間でデータが同期で転送されています。 ASYNC クラスタ内のサーバ間でデータが非同期で転送されています。 POTENTIAL クラスタ内のサーバ間でデータが非同期で転送されていますが、同期状態に昇格する可能性があります。 DISCONNECT クラスタ内のデータ同期状態が異常です。クラスタ起動時にも表示されます。 コラム
[詳細情報]タブをクリックすると、「詳細情報」画面が表示されます。 この画面では、クラスタ構成の監視状況の詳細が表示されます。必要に応じて参照してください。
8.2.2. Master 機のクラスタ起動¶
Master 機のクラスタ起動手順を示します。
【手順】以下の手順に従って操作してください。
- Master 機として起動する IM-AccelDB サーバにログインします。
- メニューリストから、[運用管理] の [クラスタ管理] をクリックして、「クラスタ管理」画面を表示します。
- 「クラスタ状態」において、状態が『停止中』であることを確認し、「クラスタ管理」の[起動] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ起動確認」画面が表示されたことを確認し、[はい] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ起動完了」画面が表示されたことを確認し、[閉じる] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ管理」画面は自動で更新されます。「last update」に最後に画面が更新された日時が表示されます。
- 「クラスタ状態」と以下の表を照らし合わせて、対象の IM-AccelDB サーバのPostgreSQLが正常に起動していることを確認します。
No ホスト名 パラメータ名 確認内容 1 Master 機のホスト名 サービスLAN master VIP 『Started』と表示されていることを確認してください。 2 レプリケーションVIP 『Started』と表示されていることを確認してください。 3 PostgreSQL起動状態 『MASTER』と表示されていることを確認してください。 4 PostgreSQLクラスタ状態 『LATEST』と表示されていることを確認してください。 注意
「クラスタ状態」確認時に、「クラスタ状態」の各項目が表示されることだけでは、正常に起動していることの確認には不十分です。必ず、上の表の状態になっていることを確認してください。注意
上の表に関して、『MASTER』が表示されてから『LATEST』と表示されるまで時間がかかる場合があります。5分経過後に『LATEST』と表示されない場合は、問題が発生している可能性がありますので、IM-AccelDBサポート窓口までお問い合わせください。注意
クラスタを再起動する場合、再起動後に手動でVACUUMを実行することを推奨します。(※)VACUUMを行なわない場合、初回のAUTOVACUUM実行までに時間がかかり、不要領域割合の閾値超過などのアラートがあがることがあります。※VACUUMの代わりにANALYZEを実行することで、コマンドの実行時間を短縮できます。DBサイズが数10GBオーダーになる場合、ANALYZEの実行をご検討ください。コラム
表と異なる文言が表示されたとき:インストール直後にログインした場合、また異常が発生している場合などは、上の表の説明とは異なる文言が表示されます。表示文言の詳細情報などは、 クラスタ管理について のパラメータ表を参照してください。
8.2.3. Slave 機のクラスタ起動(HA構成の場合)¶
Slave 機のクラスタ起動手順を示します。
注意
- Slave 機として起動する IM-AccelDB サーバにログインします。
注意
Master 機にログインしていないことを確認してください。 - メニューリストから、[運用管理] の [クラスタ管理]をクリックして、「クラスタ管理」画面を表示します。
- 「クラスタ状態」において、状態が『停止中』であることを確認し、「クラスタ管理」の [クラスタ組込] ボタンをクリックします。
- 以下の画面が表示されることを確認し、[はい]ボタンをクリックします。
- 組み込み準備には時間を要しますので、「実行結果確認」画面が表示されるまでお待ちください。その後「実行結果確認」画面において、『組み込み準備が完了しました』と表示されることを確認し、[閉じる]ボタンをクリックします。
- 「クラスタ状態」において、状態が『停止中』であることを確認し、「クラスタ管理」の[起動] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ起動確認」画面が表示されたことを確認し、[はい] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ起動完了」画面が表示されたことを確認し、[閉じる] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ管理」画面は自動で更新されます。「last update」に最後に画面が更新された日時が表示されます。
- 「クラスタ状態」と以下の表を照らし合わせて、対象の IM-AccelDB サーバが正常に起動している状態になることを確認します。
注意
「クラスタ状態」の「PostgreSQL クラスタ状態」は、正常起動時は、DISCONNECT⇒ ASYNC ⇒ SYNC と状態が遷移します。No ホスト名 パラメータ名 確認内容 1 Master 機のホスト名 サービスLAN master VIP 『Started』と表示されていることを確認してください。 2 レプリケーションVIP 『Started』と表示されていることを確認してください。 3 PostgreSQL起動状態 『MASTER』と表示されていることを確認してください。 4 PostgreSQLクラスタ状態 『LATEST』と表示されていることを確認してください。 5 Slave 機のホスト名 サービスLAN slave VIP 『Started』と表示されていることを確認してください。 6 PostgreSQL起動状態 『SLAVE』と表示されていることを確認してください。 7 PostgreSQLクラスタ状態 『SYNC』と表示されていることを確認してください。 注意
Slave機を先に起動してしまったときSlave機のクラスタを先に起動した場合、Slave機の「PostgreSQLクラスタ状態」において『SYNC』と表示されません。この場合、両方のサーバにおいて「クラスタ管理」で[停止]ボタンをクリックし、クラスタ状態が『停止中』となることを確認します。その後、Master機となるべきサーバで再度 [起動]ボタンをクリックすることで復旧ができます。
8.2.4. クラスタ停止¶
クラスタの停止手順を示します。HA構成の場合は、Slave 機、Master 機の順で停止します。
注意
○HA構成の場合のみ
- Slave 機にログインします。
- メニューリストから、[運用管理] の [クラスタ管理]をクリックして、「クラスタ管理」画面を表示します。
- 「クラスタ管理」の [停止] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ停止確認」画面が表示されたことを確認し、[はい] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ停止完了」画面が表示されたことを確認し、[閉じる] ボタンをクリックします。
- 「クラスタ状態」において、状態が『停止中』であることを確認します。
○シングル構成とHA構成の両方
- Master 機にログインします。
- 2~5を実施してください。
8.3. マシン操作¶
8.3.1. マシン操作について¶
OSの操作を行います。以下の手順で、「マシン操作」画面を表示します。
- メニューリストから、[運用管理] の [マシン操作] をクリックします。
- 「マシン操作」画面を表示します。
No 項目名 説明 1 [停止] ボタン OSをシャットダウンし、サーバの電源を切ります。 2 [再起動] ボタン OSを再起動します。
8.3.2. マシン停止¶
- 「OS操作」において、[停止] ボタンをクリックします。
- [はい] ボタンをクリックします。
- [はい] ボタンをクリック後、『処理を実行しています』と表示されます。この画面が表示された後、GUIの操作は出来なくなるため、ブラウザを閉じてください。
8.3.3. マシン再起動¶
- 「OS操作」において、[再起動]ボタンをクリックします。
- [はい]ボタンをクリックします。
- [はい] ボタンをクリック後、『処理を実行しています』と表示されます。再起動には数分時間がかかりますので、しばらくお待ちください。
8.4. ディスク使用率¶
8.4.1. ディスク使用率について¶
ディスク使用率の確認を行います。以下の手順で「ディスク使用率」画面を表示します。
- メニューリストから、[運用管理] の [ディスク使用率]をクリックします。
- 「ディスク使用率」画面が表示されることを確認します。「ディスク使用率」画面は自動で更新されます。 last updateは最後に画面が更新された日時です。
8.4.2. 各画面項目¶
各画面項目について説明します。
CPU使用率
No | 項目名 | 説明 |
1 | CPU usage | CPU使用率を表示します。
ユーザー:ユーザーのプログラムが使用するCPUの割合です。
kernel:システムプログラムが使用するCPUの割合です。
IO:入出力で使用するCPUの割合です。
idle:使用されていないCPUの割合です。
|
メモリ使用量
No | 項目名 | 説明 |
1 | Real memory | 物理メモリ使用率を表示します。
total:物理メモリの総量を表示します。
used:使用済みである物理メモリ量を表示します。
|
2 | Virtual memory | 仮想メモリ使用率を表示します。
total:仮想メモリの総量を表示します。
used:使用済みである仮想メモリ量を表示します。
|
3 | 詳細情報 | メモリ使用率が多い順に表示します。
process:プロセス名表示します。
used:使用済みであるメモリ量を表示します。
|
ディスク使用率
No | 項目名 | 説明 | |
1 | Local disk space | ディスク全体のサイズと使用済み領域のサイズです。 | |
2 | 内訳 | /(Root filesystem) | ルートディレクトリです。 |
3 | /archive | PostgreSQLのアーカイブログが含まれるディレクトリです。 | |
4 | /boot | Linuxのカーネルやブートマネージャーなどが含まれるディレクトリです。 | |
5 | /db | PostgreSQLのデータベースクラスタが含まれるディレクトリです。 | |
6 | /var | ログやバックアップ等の定期的に変更されるファイルを格納するディレクトリです。 | |
7 | /wal | PostgreSQLのWALを格納するディレクトリです。 |
コラム
ディスクの内訳は、お客様の環境によって異なります。詳細は、パラメータシートを参照してください。
8.5. アクティベーション¶
8.5.1. アクティベーションについて¶
IM-AccelDB のアクティベーション状況の確認やアクティベーションの実施など、ソフトウェアの管理を行います。
以下の手順で「アクティベーション」画面を表示します。
- メニューリストから、[運用管理] の [アクティベーション]をクリックします。
- 「アクティベーション」画面が表示されることを確認します。
No 項目名 説明 1 アクティベーション状態 IM-AccelDB のアクティベーションの状態と、有効期限を確認することができます。 2 アクティベーション情報登録 アクティベーションキー入力を行うことで、アクティベーションを実行できます。 3 アップデート IM-AccelDB アップデートを実行します。次節で説明します。
8.5.2. アクティベーション状態¶
アクティベーション期限について
試用期間中
コラム
期限切れ間近
IM-AccelDB の利用期限が切れる 1 か月前から下図に示すメッセージが表示されますので、アクティベーションを実施してください。
期限切れ
8.5.3. アクティベーション¶
以下の手順に従い、アクティベーションを行ってください。
注意
アクティベーションは、サーバごとに行う必要があります。サーバ2台それぞれで操作を行ってください。
- メニューリストから、[運用管理] の [アクティベーション]をクリックし、「アクティベーション」画面を表示します。
- 「アクティベーション」画面の「アクティベーション情報登録」にて、[アクティベーション]ボタンをクリックします。
- 「アクティベーションキー入力」画面が表示されることを確認し、アクティベーションキーを入力します。
- アクティベーションキーの入力が完了すると、[アクティベーション]ボタンが有効になることを確認し、クリックします。
- 「アクティベーション完了」画面が表示されることを確認し、[閉じる]ボタンをクリックします。
- メニューリストから、[運用管理] の[アクティベーション]をクリックして画面を更新し、アクティベーション状態に有効期限のみが表示されることを確認します。
8.6. アップデート¶
8.6.1. アップデートについて¶
以下の手順で「アップデート」画面を表示します(サブメニュー「アクティベーション」内にあります)。
- メニューリストから、[運用管理] の [アクティベーション]をクリックします。
- 「アップデート」画面が表示されることを確認します。
8.6.2. アップデート¶
注意
- 「アップデート」にて、[アップデート] ボタンをクリックします。
- 『01-backup』を選択して、[開く] ボタンをクリックします。
- 「アップロード完了」画面が表示された後、[アップデート] ボタンをクリックします。
- アップロードしたファイルのチェックが行われるので、そのままお待ちください。
- ファイルチェック完了後、アップデートが行われます。アップデートが完了すると、以下のアップデート完了メッセージが表示されますので、[閉じる]をクリックします。
- メニューリストの [情報取得] から [ログ] をクリックします。『GUI』を選択し、[参照]ボタンをクリックします。アップデート処理が正常に完了したメッセージが出力されていることを確認します。