intra-mart Accel Platform スクリプト開発モデル プログラミングガイド 第18版 2024-06-28

ユーザのタイムゾーンや日付と時刻の形式に対応するためのサンプルプログラム

本章では、ユーザが設定したタイムゾーンや日付と時刻の形式に従って、画面表示したり、画面から入力できるようにするためのサンプルプログラムを紹介します。 本章で紹介するサンプルプログラムは以下の考え方に基づいています。

前提

サンプルプログラムは、以下のテーブルが作成されていることを前提としたプログラムです。
  • テーブル定義

    CREATE TABLE example_table (
        user_cd     VARCHAR(100) NOT NULL,
        update_date TIMESTAMP  NOT NULL,
        PRIMARY KEY (user_cd)
    );
    

また、入力値や出力結果は以下の設定を前提として記載します。
  • 各種設定値
設定項目 設定値
アカウントタイムゾーン (ユーザのタイムゾーン) (GMT+09:00) 日本 / 東京
システムタイムゾーン (GMT+00:00) UTC
日付と時刻の形式 英語形式
日付(標準表示) MMM d, yyyy
日付(簡易表示) MMM d
日付(入力) yyyy/MM/dd
時刻(標準表示) h:mm a
時刻(タイムスタンプ表示) h:mm:ss a
時刻(入力) HH:mm

日付

ユーザが設定したタイムゾーンや日付と時刻の形式に従って、以下のように日付を相対的に扱うための流れを説明します。

日付を保存する

画面から入力された日付データをサーバ側で解析して、データベースに保存するまでの流れを説明します。
画面には、ユーザの日付入力形式で次の値が入力され、サーバに送信されたとします。
2012/09/19

1. 画面から送信された日付文字列を解析する

function init(request) {
    var inputDateStr = request.inputDate; // 画面から送信された日付文字列
    var inputDateTime = AccountDateTimeFormatter.parseToDateTime(inputDateStr, AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_DATE_INPUT); // 日付文字列解析
}
日付文字列の場合、時刻部分は「00:00:00」として解析されます。
AccountDateTimeFormatter を利用するとユーザのタイムゾーンのデータとして以下のように解析されます。
2012-09-19T00:00:00+09:00

2. システムタイムゾーンに変換する

var inputDate = new DateTime(
    inputDateTime.year,
    inputDateTime.monthOfYear,
    inputDateTime.dayOfMonth,
    SystemTimeZone.getDefaultTimeZone().data
).getDate().data; // システムタイムゾーンに変換
解析した日付をシステムタイムゾーンの時刻部分が「00:00:00」のデータに変換します。
以下のようなデータに変換されます。
2012-09-19T00:00:00+00:00

3. データベースへ日付を保存する

var db = new TenantDatabase();
var userCd = Contexts.getAccountContext().userCd;
Transaction.begin(function() {
    db.execute('INSERT INTO example_table values(?, ?)', [DbParameter.string(userCd), DbParameter.timestamp(inputDate)]);
});
データベースには、システムタイムゾーンに変換された日付データを保存します。
以下のようなデータが保存されます。
2012-09-19 00:00:00.000

保存されている日付を画面に表示する

データベースに保存されている日付を、ユーザの日付の表示形式を使って日付文字列に整形し、画面に表示するまでの流れを説明します。

1. データベースから日付を取得する

var db = new TenantDatabase();
var userCd = Contexts.getAccountContext().userCd;
var result = db.select('SELECT update_date FROM example_table WHERE user_cd=?', [DbParameter.string(userCd)]);
if (result.error) {
    return;
}
var outputDate = result.data[0].update_date;
データベースには、システムタイムゾーンに変換された日付データが保存されています。
具体的には以下のようなデータが保存されていたとします。
2012-09-19 00:00:00.000

2. 日付文字列に整形する

var outputDateTime = new DateTime(outputDate, SystemTimeZone.getDefaultTimeZone().data);
var outputDateStr = AccountDateTimeFormatter.format(outputDateTime, AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_DATE_STANDARD);
ユーザの日付と時刻の表示形式で整形する場合、AccountDateTimeFormatter を使用します。
以下の結果が得られます。
Sep 19, 2012

日付を現在時刻と比較する

データベースに保存されている日付と、ユーザの現在時刻を比較する流れを説明します。

1. データベースから日付を取得する

var db = new TenantDatabase();
var userCd = Contexts.getAccountContext().userCd;
var result = db.select('SELECT update_date FROM example_table WHERE user_cd=?', [DbParameter.string(userCd)]);
if (result.error) {
    return;
}
var outputDate = result.data[0].update_date;
データベースには、システムタイムゾーンに変換された日付データが保存されています。
具体的には以下のようなデータが保存されていたとします。
2012-09-19 00:00:00.000

2. ユーザのタイムゾーンに変換する

var outputDateTime = new DateTime(
    outputDate.getFullYear(),
    outputDate.getMonth(),
    outputDate.getDate(),
    Contexts.getAccountContext().timeZone
);
取得した日付データをユーザのタイムゾーンの時刻部分が「00:00:00」のデータに変換します。
以下のようなデータに変換されます。
2012-09-19T00:00:00+09:00

3. ユーザの現在時刻を取得します

var currentDateTime = new DateTime();
ユーザのタイムゾーンでの現在時刻を取得します。
ログインユーザのタイムゾーンの現在時刻を取得するには DateTime を利用します。

4. 現在時刻と比較します

if (currentDateTime.getTime().data >= outputDateTime.getTime().data) {

}
ユーザのタイムゾーンで現在時刻を比較します。

クライアント側で日付を扱う

クライアント側で、ユーザのタイムゾーンの今日から3日間の日付を生成し、最後の日付をサーバ側へ送信するまでの流れを説明します。
このサンプルを通して、csjs で日付や日時を扱う際の注意点を説明します。

1. ユーザのタイムゾーンの今日を取得する

ユーザのタイムゾーンにおける「今日」を csjs で取得するためには、intra-mart Accel Platform から提供されている ImDate を使用します。

注意

ユーザのタイムゾーンにおける「今日」の取得に、csjs の new Date を利用しないでください。
csjs の new Date はクライアント OS のタイムゾーンにおける現在日時データを返しますが、ユーザのタイムゾーンがクライアント OS のタイムゾーンと一致しているとは限りません。
<script type="text/javascript" src="im_i18n/timezone/im_date_timezone.js"></script>
<script type="text/javascript">
var firstDate = ImDate.now();
</script>

2. 今日から3日間の日付を生成する

Date に標準で用意されているメソッドを使用して構いません。
var dateArray = new Array();
var date = firstDate;
for (var i = 0; i < 3; i++) {
    dateArray[i] = date;
    date.setDate(date.getDate() + 1);
}

3. 日付をサーバ側へ送信する

年月日の値から日付文字列を作ります。
var lastDate = dateArray[2];
var lastDateStr = lastDate.getFullYear() + "-" + (lastDate.getMonth() + 1) + "-" + lastDate.getDate();

注意

ImDate.now() で生成した Date のエポックミリ秒は送信しないでください。

ImDate.now() の返す Date は、ユーザのタイムゾーンにおける「今日」の年月日時分秒を持っていますが、エポックミリ秒は正しいとは限りません。
理由は、クライアント側で Date を生成しているためです。
Date の持つエポックミリ秒は、クライアント OS のタイムゾーンで計算された値となり、ユーザのタイムゾーンで計算された値と一致しない可能性があります。

4. クライアント側から送信された日付文字列から Date を生成する

function init(request) {
    var inputDateStr = request.inputDate; //画面から送信された日付文字列
    var inputDate = DateTimeFormatter.parseToDate('yyyy-MM-dd', inputDateStr, SystemTimeZone.getDefaultTimeZone().data);
}
日時文字列がユーザの日付と時刻の入力形式に沿っていない場合、DateTimeFormatter を使用します。
DateTimeFormatter は、直接フォーマットパターンを指定できます。

日時

ユーザが設定したタイムゾーンや日付と時刻の形式に従って、以下のように日時を絶対的に扱うための流れを説明します。

日時を保存する

画面から入力された日時データをサーバ側で解析して、DB に保存するまでの流れを説明します。
ユーザが以下の日時データを入力し、サーバに送信したとします。
2012/09/19 03:46

1. 画面から送信された日時文字列を解析する

function init(request) {
    var inputDateStr = request.inputDate; //画面から送信された日時文字列
    var inputDate = AccountDateTimeFormatter.parseToDate(inputDateStr,
            AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_DATE_INPUT,
            AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_TIME_INPUT);
}
日時文字列がユーザの日付と時刻の入力形式に沿っている場合、AccountDateTimeFormatter を使用します。
AccountDateTimeFormatter は、ログインユーザのタイムゾーンを使って解析を行います。
システムタイムゾーンでの以下のようなデータに変換されます。
2012-09-18T18:46:00+00:00

2. データベースへ日時データを保存する

var db = new TenantDatabase();
var userCd = Contexts.getAccountContext().userCd;
Transaction.begin(function() {
    db.execute('INSERT INTO example_table values(?, ?)', [DbParameter.string(userCd), DbParameter.timestamp(inputDate)]);
});
データベースには、システムタイムゾーンに変換された日時データを保存します。
以下のようなデータが保存されます。
2012-09-18 18:46:00.000

保存されている日時を画面に表示する

データベースに保存されている日時データを、ユーザのタイムゾーン、日付と時刻の表示形式を使って日時文字列に整形し、画面に表示するまでの流れを説明します。

1. データベースから日時データを取得する

var db = new TenantDatabase();
var userCd = Contexts.getAccountContext().userCd;
var result = db.select('SELECT update_date FROM example_table WHERE user_cd=?', [DbParameter.string(userCd)]);
if (result.error) {
    return;
}
var outputDate = result.data[0].update_date;
データベースには、システムタイムゾーンに変換された日時データが保存されています。
具体的には以下のようなデータが保存されていたとします。
2012-09-18 18:46:00.000

2. 日時文字列に整形する

var outputDateStr = AccountDateTimeFormatter.format(outputDate,
        AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_DATE_STANDARD,
        AccountDateTimeFormatter.IM_DATETIME_FORMAT_TIME_STANDARD);
ユーザの日付と時刻の表示形式で整形する場合、AccountDateTimeFormatter を使用します。
以下の結果が得られます。
Sep 19, 2012 3:46 AM